2016年 05月 01日
スペースシャトルで泣く女 |
私はすぐ涙がでてくる。涙腺が詰まっているんじゃないかと思うほどだ。
普通に生活していても夕方には涙を拭く回数が増えるのでハンカチ必須。アイメイクはできない。
そんな身体的特徴以上に、泣ける性格である。感動しやすいともいう。だから図書館でも本を読みながらしょっちゅう泣いている。涙でストレス物質を流し出しているのだ。
そんな私が一番泣けるのは、宇宙開発だ。
アメリカのフロリダ州ケネディ宇宙センターの有料展示館(ビジターコンプレックス)ではスペースシャトル「アトランティス」の実物が飾られている。このシャトル実物を見る前に、シャトルがいかに開発されたか、技術者達の汗と苦労のショートムービーを見ることができる。そのムービーの出来が素晴らしく、何回見ても泣いてしまう。思い出しただけでも涙がでてくる。同僚はそうでもないという。私と温度差がある。泣くほどでもないと。しかし見る価値があるのは共通の意見だ。
スペースシャトルはその名の通り、「行って帰ってくるもの」使い捨てだったロケットを再利用して何度も使おう、毎週打ち上げようという計画で、ロケットのように打ち上げ、グライダーのように戻ってくるというコンセプトで作られた。結果的には2011年国際宇宙ステーションの完成とともに引退した。
シャトルの開発は困難を極め、計画は予定より遅れた。上司からの叱責もある。
しかし技術者達は諦めなかった。
使い捨て部分と再利用部分に分けることで軽量化に成功し、とうとう最初のシャトル打ち上げの日を迎えたのである。
轟音とともに打ち上がるシャトル。ついに宇宙へと飛び立つ。長年の開発を経てやっと。
打ち上げ成功に沸く技術者。しかしチーフは言う。
「おめでとうの言葉は、戻ってきた時に使おう」
ここで涙がブワッと出るのだ。
帰還するシャトル便を作る使命をまかされた技術者。
打ち上げて終わりじゃなく、帰ることを可能にした宇宙船。だから打ち上げ成功で喜ばず、無事帰った時が本当の成功である。私も送り出すだけじゃなく受け取るまでが仕事だと思っている。あらゆる心配をして備える。実験試料を正しく戻すために。
ビジターコンプレックスの作りは素晴らしく、打ち上げシーンも迫力満点、一瞬めまいがするほどの無重力の錯覚を与えられ、そしてシャトルは地球に帰還。スクリーンが開くとそこに帰還したアトランティスがいるのである。
耐熱タイルの一つ一つを見る。エンジンを見る。宇宙好きじゃなくてもこの宇宙機にどれだけの技術者の苦労が込められているか想像して感動するだろう。
私は毎回、飽きもせずに、泣く。こらえようとしても、泣く。
エンジンもすごい。実物はやっぱりすごい。
アメリカフロリダ、ケネディ宇宙センターに行くことがあれば、必ず見て下さい。ビジターコンプレックスは入場料約50ドル、別の日に再入場可能なパスは80ドルほど。
年間パスは駐車場代込みで110ドルほど。2回行くならパスの購入がお得です。
(以上、2015年6月時点の情報です。プログラムや値段は変更されることがあります)
by yanosachiko
| 2016-05-01 11:56
| 宇宙
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