子供の頃、祖父が作業しながら横でつけっぱなしにしているテレビからウルグアイラウンドと言う言葉が頻繁に聞こえてきた。
進路相談で農学部、という言葉を出すと親の表情が陰った。理由はきっとイメージだ。生物学では問題ないのに。親の意向は確実に進路決定に影響する。
経済、国際関係、物理学、生物学。私の志望は変遷したが、興味を満たすための勉強は好きだった。
大人になって農業経済と言う言葉を知った。
いま、科学技術の未来予測を政策に生かすための仕事をしている。
この出会いは何かの縁かも知れない。
食べること。食料を確保すること。飽食の時代はいつまで続くだろうか。農業は非常に重要な産業だ。食べなければ生きていけない。
農業経済と農業政策の第一人者が描いた日本農業の未来。生源寺眞一、著