2017年 12月 04日
NASAより宇宙に近い町工場の社長植松努さん |
ITと働き方改革カンファレンスで植松努さんの話を聞いた。
90分ノンストップ。でも飽きさせない、涙あり笑いありのとにかく良い話だった。働き方を科学技術で何とかしたい大人ばかりの会場が、不安な将来の社会を真剣に考える、でも希望に溢れた良い雰囲気に包まれた。
ITで効率的な働き方を推進しようとする企業の担当者が集まる会場での特別講演。
企業の人達500人が集まる中、「どうせ無理、をだったらこうしてみればと考えようよ」との強いメッセージを次々に伝える植松さん。
自身の体験に基づく、失敗を恐れない心構えを説く。
体験しているから説得力があるし、全ての言葉に信念と力がある。植松さんの話はブログでも読めるけど、直接聞く価値も大きい。
植松努さんのウェブページ
すごく共感できるメッセージがたくさんあった。
「ロケット打ち上げの前には気持ちが悪くなるくらい不安になる。でも不安の向こうに喜びがある。」
「大事なのは金よりも知恵、経験、人脈」
「人間は足りないからこそ助け合える」
「生き物は競争相手がいない所を求めて進化した」
「自分なんて、と思わなくていい」
「社会も会社も人が力を合わせて一人ではできない事をめざす場所」
新しいことに取り組むから失敗する。
失敗していい。
同じことをやっていたのでは負ける。
人口減少の時代、素直で勤勉なだけではロボットに負ける。
人間がロボットと違うのは
興味と好奇心だ。
何が売れるかではなく、問題解決しろ。
やりたいことを話そう。
やったことのある人とつながれば可能になる。
繰り出されるエピソードは時に笑いも起こし、時に感嘆のため息が会場のあちこちから漏れて聞こえる。
こうやって書くだけでは伝わらないと思う。
植松さんの自身の経営失敗談、リーダーとしての失敗経験、家族をないがしろにしかかった反省、どれも心に染み入ってきた。みんな思い当たることがあるだろう。
とにかく失敗していい、他人の失敗を責めるな、失敗を自分のせいにするな、どうせ無理と言うな、のフレーズが繰り返し繰り返し具体的な例とともに語られる。
植松さんが昔、教師に言われたこと
「ロケット作るなんてどうせ無理」
無理じゃなかったぞ、と言い返しているそうだ。
実際にできた。すごい。
民間が教育まで変える。
「本を読んで実行する。
やればできる。」
「30年前とは考え方が変わっている。
ロボットみたいな勤勉な人間を量産する教育では立ち行かなくなるから
教育制度も変わってきている。」
でも遅い。国の取り組みは遅すぎる。民間頼みになっている。決定しない、責任を取らない偉い人たち。世代交代するころまで日本があれば良いが。
「不確実性が増している社会では命令で動くシステムではダメだ。」
「相談、お願い、感謝で会社は回る。」
優しさが一番大事だと言う。
私自身もこの講演会で救われた。大げさだけど、私は植松さんに出会った。ずっとブログを読んでいて、いつか講演を聞いてみたいと思っていた。周りに言い続ける意味はある。だって私、今日この講演会に参加したいと思ったもの。だから来た。行動できた。
科学技術の進歩と日本の研究力と働き方。全部繋がっている。社会ビジョンを語るために必要な作業だ。
何より、私は人より劣り、隙間を狙って歩いてきた。そんな自分が肯定された気がした。みんな不完全なんだよと、それでいいのだよと肯定された気がした。大人でさえそうだ。子供ならもっと影響は大きいだろう。
私は宇宙と生物を仕事にする女性で母親。なんでわざわざ難しいことばかりやろうとするのか、自分でも分からなかった。でも今日は分かった。それが私が生き延びる方法だったのだ。
これまで不得意を避け、自分に出来ることを探してここまで来た。
わざわざ狭い分野を不利に生きていく道を選んだ自分を情けなく思うこともあった。でも実は私は面倒なことからわざと逃げながら、自分が楽しく生き延びられそうな道を自分で選んで来たのだ。
生物としての自分を肯定してあげられる気持ちが湧いて来た。だからこれからもやりたいと思ったこと、やるべきと思ったことは力一杯やる。上手にやることを学ぶ。
本当にやりたいことを力一杯、不安になりながらやるのは、実は最高に幸せなことなのだ。
私は人を育てたい。科学技術人材を増やしたい。数学嫌いを数学好きにしてあげたい。
先生が能力を発揮できる学校を作りたい。
宇宙を教育に生かしたい。
無理って言わず、ならどうしたらいいか、を考える。
「嫌だって言っていい
離れてもいい
しゃべってもいい」
ほら、元気が出てくるでしょう?
植松努さんのお話を是非聞いてみてください。
大人だってまだ遅くないですよ。
どうせ無理って言わない。ならどうするか考えてみる。それが日本を救う唯一の方法。
働き方改革の基本だ。
誰?そんなの無理って思う人。すぐに植松さんのブログを読んで。フェイスブックでもシェアしてます。
会場でおじさん達がふー、とかほー、とか言いながら写真をパシャパシャ撮っていた。
感動したら実行しましょうね!
偉い人は部下に
失敗したらどうするんだ、とか
責任はとるんだろうな、とか部下に言わないこと。
考えない人間になってしまいますからね。
by yanosachiko
| 2017-12-04 19:24
| 仕事
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