宇宙旅行に行きたいですか |
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2018年 01月 02日
私は自分が宇宙生物学の講義をしたら、最後にアンケートを取ります。
自分の講義の手ごたえを得るためです。 双方向性の実践研究です。 大抵は、珍しい話が聞けた、知らなかった、おもしろかったと言ってもらえますが、小学生から一般まで、毎回聴衆が違うので、何が良かったかを知るために反応を知るのは必須です。話して終わりにならないように。 そして依頼に応じて話す内容を更新していきます。 まず、「一番おもしろかった話は何ですか」を聞きます。選択性にしたり、自由記載にしたりします。小学生なら選択、大学生以上なら自由記載。そして最後に質問があれば書いてもらい、後日返事をすることもあります。 小学生は宇宙生物学の話より、宇宙飛行士の生活に反応が大きいこともあります。それでも話し方や流れによっては、生物学や植物への反応がいいこともある。話の流れが大事であることを実感しています。 最近では、「宇宙旅行をしたいですか」という質問を入れています。 ほとんどの方は「行ってみたい」と答えてくれます。宇宙に興味があって私を呼んでくれたり、私の話を聞きにきてくれたりするのですから、宇宙に行ってみたい人が多いのも頷けます。 ただ中越地震の被災地に行ってスペースシャトルコロンビアの空中分解事故の話を出した時は、宇宙には行きたくないという反応が多くなりました。自らが経験したおそろしい体験と重なってしまったのかも知れません。 最近、「月面に永住したいですか」(注)という質問を入れました。まず大学生約70名の講義で試してみました(対象は大学1年生67名)。 すると、「宇宙旅行に行きたいですか」質問には「行きたい」が75パーセントを上回ったのに対し、「月面に永住したい」と答えた人は全体の37パーセントでした。 宇宙旅行に行きたいと答えた人に限ってみても、宇宙旅行に行きたいし月面に永住したいと答えた人は41パーセントにとどまりました。 旅行なら行きたいけど、永住はしたくない。そんな感覚があるのでしょう。 地球が好きだし、まだまだ地球でやりたいことがたくさんある、月面は不便、不自由そう。そして月には行きたいけど永住はしたくない、だって、月には美味しいものがなさそう、という意見がありました。やっぱり食べ物は大事。 宇宙に行きたい理由は、珍しいものを見たい、新しいものを見たい、無重力や低重力を体験したい。 でもずっとは住みたくない。私もこの答えを見てなるほどな、と思いました。 中には「永住したい」との答えもあったわけです。 月で老後を過ごしたい、スポーツをしたい、飛び跳ねたい、の他に、月面望遠鏡を作りたい、月の地下を研究してみたい、月面に森を作りたいという野心的な意見もありました。 無重力は体験したいし、宇宙から地球を見てみたいとは思うけれど、長く滞在するのは大変そう。こんな感覚が普通なのかも知れません。 私は宇宙の無重力環境では骨や筋肉が弱くなるという話をしますから、このような反応になるのも分かります。 旅行をしたいけど長く住むのは嫌、という感覚が、海外旅行や留学、海外移住と似たような感覚で捉えられているのかもしれないなあと思いました。 だとすれば、宇宙に出て行くのが一般にとっても可能なり、安全性やコスト面でも現実的になったら、宇宙旅行もしたいし永住したいという人も増えるのかなと思いました。 10年スパンくらいで、この世論的な反応を比較してみると面白い。過去の世論調査などを調べたり、将来的に同じ質問をしたりするのも意味があるでしょう。 それにしても長くかかる研究になりそうです。宇宙から地球に生かす技術をいかに作れるか、がまだまだ焦点になるのだと思います。 一般の宇宙旅行、宇宙滞在も可能になって欲しい! (注)「月面に永住したいですか」としている質問は正確には「50年後に月面に永住できる100人に選ばれたら行きますか」と聞きました。まだ環境が整っていない、100人では嫌だ、という意見や、100人で新しい国家を作りたいという面白い意見もありました。 なお、アンケートは回答者に「サイエンスコミュニケーションの研究に使う」と示して了承を得ています。
by yanosachiko
| 2018-01-02 18:27
| 宇宙
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